石油・ウランなどエネルギー燃料の可採年数について [エネルギー]
原子力発電の目的でしばしば言われているのが
・燃料であるウランはまだまだ供給量に余裕がある。
・一方、石油や石炭、天然ガスなどは余裕がない。
だから、原子力は重要なんです、という論調です。
果たしてほんとにそうなのでしょうか?ちょっと自分なりに調べてみました。
資料は以下の2つです。
■BP Statistical Review 2011
http://www.bp.com/assets/bp_internet/globalbp/globalbp_uk_english/reports_and_publications/statistical_energy_review_2011/STAGING/local_assets/pdf/statistical_review_of_world_energy_full_report_2011.pdf
※PDFファイルです。
BPというのはイギリスの大手石油会社です。メキシコ湾での石油流出事故、といえば思い出す方も多いのではないでしょうか。この会社は毎年エネルギーの見通しを出していまして、その中で「石油・天然ガス・石炭」の可採年数のようなものが記載されていましたのでそちらを参考にしました。「可採年数のようなもの」というのは、直近の年における各燃料の消費量と確認されている埋蔵量から算出された値のためです。今後の燃料需要動向に応じて変わる点は注意してください。
■独立行政法人 日本原子力研究開発機構
http://www.jaea.go.jp/03/senryaku/seminar/s10-5.pdf
※こちらもPDFファイルです。
2010年11月に発表された「ウラン資源に関する最近の動向」を参考にしました。
この2つの資料によりますと、各燃料の可採年数は
・石油: 46.2年
・天然ガス:58.6年
・石炭 :118年
・ウラン :115年
となっています。ウランは再処理をしてMOX燃料として利用すれば、さらに伸びます!と夢物語が書かれていましたが一方で、
とあるので、あまり現実的ではないと判断しました。3.11以後、再処理まで考慮に入れるのは有り得ないですよね。
また、未発見資源も含めれば300年を超えて供給可能、とありますが、さすがに未発見のものを入れてはいけないと思いますのでこちらも外しています。
こうして見てみると、化石燃料だけでなく、原子力発電の燃料であるウランも、そう遠くない枯渇してしまうことは目に見えている、といって良さそうです。
原子力発電所が止まっているから節電・省エネではなく、私たちの子どもの未来を考えれば、今から省エネに取り組んでいくのは私たち親世代の責務ではないかと思います。
そして、再生可能利用エネルギーの活用に道筋を立てることも合わせて真剣に考えていかないといけませんね。
なお、脱原発を主張する京都大学の小出准教授が化石燃料とウランの可採年数について、意見を述べている文章がありましたので、紹介しておきます。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/dent-02.pdf
さすがに「石油があと100年あるという時代になるのではないでしょうか?」というのは冗談でもどうかな、と思います。
また、「天然ガスについては、人類の1000年分の消費量をまかなえるという推定もあるほどです。」と述べておられますが、根拠も書かれておらず、いささか不親切かなという印象です。日本を代表する大学の研究者なのですから、きちんとした根拠を紹介してほしい、と思うのは私だけではないはずです。
脱原発を主張されるのは良いのですが、化石燃料も限られた資源なのですから。
・燃料であるウランはまだまだ供給量に余裕がある。
・一方、石油や石炭、天然ガスなどは余裕がない。
だから、原子力は重要なんです、という論調です。
果たしてほんとにそうなのでしょうか?ちょっと自分なりに調べてみました。
資料は以下の2つです。
■BP Statistical Review 2011
http://www.bp.com/assets/bp_internet/globalbp/globalbp_uk_english/reports_and_publications/statistical_energy_review_2011/STAGING/local_assets/pdf/statistical_review_of_world_energy_full_report_2011.pdf
※PDFファイルです。
BPというのはイギリスの大手石油会社です。メキシコ湾での石油流出事故、といえば思い出す方も多いのではないでしょうか。この会社は毎年エネルギーの見通しを出していまして、その中で「石油・天然ガス・石炭」の可採年数のようなものが記載されていましたのでそちらを参考にしました。「可採年数のようなもの」というのは、直近の年における各燃料の消費量と確認されている埋蔵量から算出された値のためです。今後の燃料需要動向に応じて変わる点は注意してください。
■独立行政法人 日本原子力研究開発機構
http://www.jaea.go.jp/03/senryaku/seminar/s10-5.pdf
※こちらもPDFファイルです。
2010年11月に発表された「ウラン資源に関する最近の動向」を参考にしました。
この2つの資料によりますと、各燃料の可採年数は
・石油: 46.2年
・天然ガス:58.6年
・石炭 :118年
・ウラン :115年
となっています。ウランは再処理をしてMOX燃料として利用すれば、さらに伸びます!と夢物語が書かれていましたが一方で、
4.回収ウランの利用 ・2008年末の回収ウランの在庫は約70,000tU。 ・これまで、ベルギー、フランス、ドイツ、スイスにおいて8,000tU以上がリサイクルされている。日本では335tUが試験利用された。 ・電力会社で、今後長期的な利用を考えているのはフランスと日本のみ。
とあるので、あまり現実的ではないと判断しました。3.11以後、再処理まで考慮に入れるのは有り得ないですよね。
また、未発見資源も含めれば300年を超えて供給可能、とありますが、さすがに未発見のものを入れてはいけないと思いますのでこちらも外しています。
こうして見てみると、化石燃料だけでなく、原子力発電の燃料であるウランも、そう遠くない枯渇してしまうことは目に見えている、といって良さそうです。
原子力発電所が止まっているから節電・省エネではなく、私たちの子どもの未来を考えれば、今から省エネに取り組んでいくのは私たち親世代の責務ではないかと思います。
そして、再生可能利用エネルギーの活用に道筋を立てることも合わせて真剣に考えていかないといけませんね。
なお、脱原発を主張する京都大学の小出准教授が化石燃料とウランの可採年数について、意見を述べている文章がありましたので、紹介しておきます。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/dent-02.pdf
さすがに「石油があと100年あるという時代になるのではないでしょうか?」というのは冗談でもどうかな、と思います。
また、「天然ガスについては、人類の1000年分の消費量をまかなえるという推定もあるほどです。」と述べておられますが、根拠も書かれておらず、いささか不親切かなという印象です。日本を代表する大学の研究者なのですから、きちんとした根拠を紹介してほしい、と思うのは私だけではないはずです。
脱原発を主張されるのは良いのですが、化石燃料も限られた資源なのですから。
2011-07-10 01:31
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コメント(3)
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すごー
by ああああああ (2014-03-19 16:15)
学校の勉強に使えます!
by ああああああ (2014-03-19 16:16)
ありえないと言ってたけど、結局出来上がる様子で。ち~ん(笑)
by お名前(必須) (2017-01-08 17:56)